漢方で治療する

漢方薬が見直されている

漢方とは、古代中国で発展した、自然の生薬から調合されている、いわゆる東洋医学におけるお薬です。

その人の体調に合わせて調合したものを煎じて飲む、というのが最も基本的な服用の仕方ですが、現在では「葛根湯」などに代表されるように、顆粒タイプ・錠剤タイプ・ドリンクタイプなど様々な形をして薬局で売られるようになりました。西洋医学の場合、病原をピンポイントで治療していき症状を消していきますが、東洋医学(漢方)の場合、病気を起こしているバランスの崩れを改善することで、症状を改善することを目的としています。

こうした体の根本を整えるという治療法が今、不妊治療の現場でも見直されています。それに漢方薬は自然の生薬。西洋医学の薬剤に比べて、副作用など体への負担が少ない事も見直されている理由の一つです。

監修医師がすすめる漢方の不妊治療 》

矢崎 智子先生

漢方的4つの不妊の原因

漢方薬を処方する時は、その人の症状や体質をタイプ別にあてはめて治療の方向性を見定めていきます。不妊に悩む女性の場合は、そのタイプを主に4つのタイプに分ける事ができます。

・脾臓が弱いタイプ …
消化機能が弱く栄養の摂取がしづらいため、慢性的な栄養不足で体力が低下しがち。
・肝臓が弱いタイプ …
ストレスが過剰にかかっていて、ホルモンバランスが狂いがち。
・腎臓が弱いタイプ …
生活習慣の乱れから体力がなく、慢性的にエネルギーが枯渇している。
・逖€血タイプ   …
血液の循環が悪く、新鮮な血液が生殖機能に行き渡らない。

以上のどれも、体がバランスを崩しているため、新しい生命を宿して育てるだけの力がなく、妊娠しづらい状態になっていると考えられるのです。もちろん、器質的な疾患が原因である場合もありますので、より確かな不妊治療のために西洋医療の検査もしっかりと受ける必要があります。

漢方薬の活用法

現在では、不妊治療にあたっている病院や薬局でも、西洋医学に加えて漢方薬を活用されるところが増えてきています。漢方薬で体のバランスを整えながら、より治療の効果を高めていこうという目的のためです。

漢方薬の場合、西洋医学の薬剤とは違い即効的な効果は期待できません。もちろん個人差はあるのですが、その効果が実感できるまでには4~6カ月が一つの目安とされています。これは、私たちの体が代謝により、体質が変わるまでにかかる一般的な期間です。ですから、すぐに効果がないからといって途中でやめたりせず、根気良く続けていく必要があります。

体に負担のかかりづらい漢方で、ゆっくりと体の根本を改善しながら妊娠へ向けての準備をしていくことは、薬剤の副作用の強い方や年齢の高い方などに有効であると考えられます。

赤ちゃんとお母さん

漢方薬は西洋医学の投薬治療とは異なり、自然の治癒力を利用するものなので、患者さん一人ひとりにとって処方も飲み方もまったく変わってきます。インターネットの情報などだけで漢方薬を買い求めるのではなく、専門機関に相談をしながら服用することをお勧めします。