分子整合栄養医学

「分子整合栄養医学」とは

分子整合栄養医学を体系的な学問として世に誕生させたのは、故ライナス・ポーリング博士(1901‐1994)です。

医学の領域に物理学の知識を導入し、たん白質の立体構造を発表、分子病という概念を確立したことで、1954年ノーベル化学賞を受賞しました。その後、ポーリング博士の後輩であるイギリスの物理学者クリックとアメリカの生物学者ワトソンが、1953年に「遺伝子の実体」を解明し、1962年にはノーベル生理学・医学賞が授与されました。こうして、分子生物学という学問が誕生し、その後体系化され、生化学、医学、薬理学、栄養学は大きく様変わりし、今日まで発展をしています。


私たち人間の体はおよそ60兆個の細胞が集合して構成されており、その細胞の一つ一つが正常に機能して初めて健康な状態である、といえます。その細胞の正常な機能を司っているのが「遺伝子」であるという事が、「遺伝子学」の研究が進む中で明らかとなってきたのです。その遺伝子に基づいた「分子生物学」を、さまざまな病態の治療や健康維持に応用したのが、「分子整合栄養医学」です。


サプリメント大国とも呼ばれる今日のアメリカでは、最先端の代替医療として、アメリカ国立衛生研究所(NIH)やアメリカ国立がんセンター(NCI)をはじめ、カンサス大学、セントドミニオン大学などの各機関での研究や臨床への応用が積極的に行われています。

矢崎 智子先生

どんな治療法なのか

「分子整合栄養医学」の考え方は、遺伝子の構成や遺伝子の命令通り細胞が機能するために必要な栄養素を補う事によって、病気の改善や健康維持を促進していく、というものです。


例えるなら、車が正しく動くために、ガソリンやオイルを補充してあげるようなものでしょうか。もちろん車が動かない原因が機器の破損(体の破損)である場合はそちらの修理もおこなわなければなりません。ですが、機器が治ったとしても根本である燃料(栄養)がなければ車は動かないのです。この「機器の修理」を手術や薬剤などの技術を使って治療する「西洋医学」とするならば、「分子整合栄養医学」は機器が正常に機能するために必要な「燃料の補充」をすることにあたります。


つまり「分子整合栄養医学」とは、本来、体にとって最適な量の栄養素をしっかりと補充し、細胞の活性化を行って体の機能を回復させる治療だと考えてもらいたいと思います。


細胞が正しく機能して治療効果を発揮するには、通常の食事や市販のサプリメントから摂取される量と比べても多量の栄養素が必要になります。市販の安価なサプリメントには原材料が科学合成の可能性が高く、記載されている表示量ほど体内に吸収できない場合も多いため、よいと思って摂取しているのに体に悪影響を与える可能性も高いのです。分子整合栄養医学で使うサプリメントは、自然由来で安全、そして吸収率と含有量の高いメディカルサプリメント摂取が必要になってきます。「薬剤」とは違い副作用があまり見られない事が大きな特徴です。また、人それぞれに必要な栄養量は異なりますので、詳細な検査をおこない、正しい摂取を行うことが重要です。

不妊治療と分子整合栄養医学

細胞に対して正しい栄養を補充してあげることで機能の回復を目指す「分子整合栄養医学」は、これまで原因不明と診断されてきた不妊に対しても有効であると考えています。特に女性に多い潜在的な鉄欠乏は子宮内膜の代謝不良を起こすことが多く、アミノ酸やミネラルが不足していると十分なホルモン分泌が行われません。

だからといって、むやみに市販のサプリメントなどを摂取しても、体内に安全に吸収されず、かえって別の疾患を引き起こしてしまう可能性が高いと言えます。


栄養素の内容や補充量などは人によって異なりますので、治療に入る前に当クリニックでは60項目以上の詳細な検査をおこない、不妊原因を調べてその人にあった治療をおこないます。分子整合栄養医学を専門とする経験豊富なドクターが、正しく診断して処方された治療用のサプリメントであるからこそ安全に摂取していただけるのです。

赤ちゃんとお母さん

そうして体の根本から自然に近い形で整えていく事によって、冷え症の改善やホルモンバランスの正常化を図り、妊娠へ向けた体づくりをしていくのです。またこの治療によって、子宮や卵巣の若返り効果も得られますので、40代の方でも体に対しての負担が少なく、健康な赤ちゃんの妊娠そして出産につながる可能性が高まるのです。