対症療法(内膜症など)

性交タイミング指導

タイミング法は不妊治療の最初のステップで行わる最も基本的な方法で、排卵日と性交のタイミングを合わせて自然妊娠を目指します。

妊娠するためには女性の卵管に卵子がある状態であることが望ましいため、一般的には排卵日の約5日前から排卵日までが良い時期とされています。しかし、卵子の寿命は6時間程度しかないため、排卵前に性交渉を持つことで精子が群がって待つ卵管内に卵子が排卵される状況を作ってあげる事が最も受精卵を作るのに適していると言えるのです。


病院では、排卵日は、超音波検査により卵胞の大きさを測ったり、頸管粘液検査や尿中黄体化ホルモン(LH)検査などをおこなったりすることで、ほぼ正確に予測ができます。


性交のタイミングに問題があるケースは意外と多く、この方法だけで妊娠するケースも少なくありません。不妊の原因が判明している場合は、薬物療法などによる治療と並行して、半年から1年間ぐらい行います。

矢崎 智子先生

薬物療法

【排卵誘発剤とは】

不妊治療で使用する薬といえば「排卵誘発剤」を思い浮かべる人がほとんどかと思います。
「排卵誘発剤」は排卵しづらい人、無排卵症の人に排卵をさせる排卵誘発の目的で使用しますが、その種類は数種類に及びます。卵胞が大きくなり、排卵し、受精し、受精卵が着床する間に、さまざまなホルモンがバランスをとりながら働いています排卵に必要なのは脳下垂体からでる
・FSH(卵胞刺激ホルモン)・・卵胞を育てるホルモン
・LH(黄体化ホルモン)・・排卵を促すホルモン
これらのホルモンが不足したり、バランスが崩れるとすると、正常な排卵が起こりません。
そこでこれらのホルモンの働きを補うのが排卵誘発剤です。
主には抗エストロゲン作用のあるクロミフェン剤を内服して視床下部に働きかける「クロミフェン療法」、2種類の注射により卵巣を直接刺激する「ゴナドトロピン療法(hMG/FSH-hCG療法)」などがあります。
薬の効果と副作用は、症状や個人差によって様々ですので、投薬開始後、その反応を見ながら種類や投与量を決めていきます。ですので、薬を服用してからの自分の体調を詳しく記録し伝えるなどの、医師とのコミュニケーションが大切になってきます。

【こんな場合にこんな薬】

薬物による治療が有効な主なケースとしては、
・頸管粘液分泌不全の場合
頸管粘液分泌不全で卵胞ホルモン分泌に問題がある場合は、卵胞ホルモン剤を投与して分泌不足を補います。
・黄体機能不全の場合
黄体機能不全には排卵誘発剤により卵胞の発育を促すとともに、黄体ホルモン剤により黄体ホルモンの分泌不足を補います。
・子宮内膜症や子宮筋腫の場合
軽度の子宮内膜症や子宮筋腫に対しては、卵胞ホルモンの分泌を抑制する薬を4~6カ月投与して、この間に月経を止め病巣を小さくする「偽閉経療法」がとられることがあります。
・造精機能障害の場合
男性の造精機能障害は原因不明のことも多いため、まずビタミン剤や漢方薬などを服用します。効果が見られない場合は、男性ホルモン(テストステロン)などのホルモン剤が投与されます。

手術療法

不妊の原因によっては、手術療法が選択されます。近年は腹腔鏡や子宮鏡のもとで行う手術など、開腹手術に比べて身体への負担が軽くて済む手術が急速に普及しています。

【子宮筋腫の場合】

子宮筋腫の筋腫核の直径が5~6㎝以上あり、大きさや部位により、明らかに生殖機能を障害すると診断された場合は手術で取り除きます。子宮内幕ポリープも含め、筋腫の大きさや場所によっては子宮鏡や腹腔鏡のもとでの手術で済みますが、開腹手術になる場合もあります。
不妊の原因とは考えられないと判断される場合でも、妊娠した場合の早産などのトラブルの発生などを考慮し、切除手術を検討することが重要になってきます。

【子宮奇形の場合】

子宮奇形の一部は手術の対象となり、子宮形成術を行いますが、タイプによっては手術の必要がないものや不可能なものもあります。子宮の形は正常だが、中に壁があるような「中隔子宮」の場合は子宮鏡下での手術が可能です。

【子宮内膜症の場合】

進行した子宮内膜症や、チョコレート嚢胞のような病変を伴っている場合は、腹腔鏡下の手術療法、もしくは開腹して子宮ら卵巣を温存して内膜症性病変を取り除き、妊孕性を向上させう保存手術療法が最優先選択肢とされています。

【卵管障害の場合】

卵管障害については、腹腔鏡のもとで癒着を剥離するほか、「マイクロサージェリー」と呼ばれる顕微鏡下での手術や卵管鏡を使った卵管形成術などが行われます。

【精路通過障害の場合】

精路通過障害については、マイクロサージェリーにより、閉塞部分を切除して再びつなぎ合わせてます。