妊娠の仕組みと不妊の定義

妊娠の仕組み

子宮の内側を覆っている「子宮内膜」は、一定の周期で状態が変化しています。妊娠の準備態勢に入ると子宮内膜は次第に厚みを増して柔らかくなります。一方、卵巣の中では卵子を包んでいる「卵胞」が成長を始め、成熟すると卵巣の壁を破って卵子が飛び出す「排卵」が起こります。

排卵された卵子は卵管へと取り込まれ、ここで精子の到着を待ちます。卵子と精子が結合する(受精)と「受精卵」となりますが、卵子と精子にはそれぞれ寿命があるため、性交のタイミングが重要となります。

受精卵は細胞分裂を繰り返し(分割)、分割の進んだ受精卵は「胚」と呼ばれます。受精卵(胚)は、分割しながら卵管内を移動し、4~5日かけて子宮へと進みます。子宮へ辿り着いた胚は、子宮内膜の中にもぐりこみ、子宮にしっかりと根付きます(着床)。着床に成功すれば、妊娠が成立したことになります。

このように、妊娠するまでには、排卵→受精→分割→着床という過程があります。どこかの過程でつまづくと次の過程に進むことができません。

それぞれの段階では、卵子や精子、男女の生殖器やホルモンなどが密接に関わり合いながら、独自の役割を果たしています。各々の機能が十分に発揮されなければ、妊娠という結果を得ることが出来ない仕組みになっています。

不妊とは

最近、不妊症が増えているといわれ、本や雑誌などで取り上げられる機会も多くなっています。友人や親戚、職場の同僚など、身近なところにいる人が、なかなか子どもに恵まれずに悩んでる場合も少なくないのでないでしょうか。

その原因や治療法などを紹介する前に、まず、不妊の定義をおさえておきましょう。通常、生殖機能に問題がないカップルが妊娠を希望している場合、3カ月以内50%、6カ月以内に70%、1年以内に80%以上、2年で約90%が妊娠します。これに対し、ある一定期間、性生活を持っているにもかかわらず妊娠しない状態を「不妊」といいます。たとえ不妊であっても、妊娠を望んでいないのなら、不妊としてとらえる必要はありません。

しかし、妊娠を希望し、かつ、子どもを授かるために医学的な治療が必要とされる場合は「不妊症」と呼ばれます。不妊の期間の基準はまちまちで、アメリカ生殖医学会は1年、国際産科婦人科連合は2年、日本では2年以上とするのが一般的です。従来は10組に1組のカップルが不妊であるとされてきましたが、近ごろでは7組に1組の割合にまで増えてきているといわれてています。