妊娠できればいいというのは間違い

「妊娠」にとらわれていませんか?

不妊に悩んでいる方は、皆さん「妊娠したい」という強い思いを持って、決して容易ではない不妊治療に取り組んでいらっしゃいます。けれども、「妊娠したい」という思いが強いために、「妊娠」することがゴールと思ってらっしゃる方も少なくないのでしょうか。

2人の赤ちゃんを授かるために「妊娠」はもちろん必要な事ですが、そこはゴールではなくあくまでも第1段階でしかありません。そこから無事に小さな命をお腹の中で育てて、出産を経てお互いの胸の中に赤ちゃんを抱く。そこで初めて不妊治療は小さなゴールとなるのです。そして、そこからまた「子育て」という新しいステージへと進んでいくわけです。

「妊娠」はスタートであり、始まったばかりなのだ、という事をしっかりと認識しておきましょう。

「妊娠」にとらわれていませんか?

赤ちゃんを授かるということ

妊娠をしたら赤ちゃんが生まれる。これは決して間違ってはいませんが、その期間が単純なものではない、というのも一つの現実です。お腹の中にいる間に、残念ながら流産や死産となってしまう可能性や、何らかの影響により赤ちゃんが障害を持って生まれる可能性も全くないとは言えないのです。

また女性が高齢出産になるほど、赤ちゃんに障害が出てしまう可能性が高くなるとも言われています。赤ちゃんを授かるという事は小さな命を守り育てる義務が生じるという事です。

健康であればこれに勝る事はありませんが、そうでなくても2人のもとにやってきてくれた赤ちゃんです。赤ちゃんはお2人だけを頼りに生きていきます。親としての自覚と覚悟、そういうとなんだか重くなってしまいますが、赤ちゃんを守っていこうという気持ちをお2人で話し合うのも、赤ちゃんを迎えるための重要なコミュニケーションだと思います。

赤ちゃんを授かるということ

おなかの赤ちゃんのためにできる事

待ち望んでいた妊娠ができたら、やはり赤ちゃんは無事に健康に産んであげたいですよね。そのためには、妊娠中にどんな事に気をつけたらよいのでしょうか。

まず、不妊治療で赤ちゃんを授かった方は、妊娠においても流産・早産であるリスクが高く、ハイリスク出産となる事が多くなります。この事を自覚して、万が一の時のためを考えて、早いうちから産科のドクターを主治医に持つ事をおすすめします。

それから妊娠中は、体を冷やしたりストレスをためないようにしてください。冷えやストレスで血液の循環が悪くなってしまうと、お腹の中の赤ちゃんに必要な栄養がいかなくなってしまいます。散歩などの軽い運動や食事など、担当のドクターと相談しながらゆったりした時間を過ごしながら、赤ちゃんに会える日を待ちましょう。

矢崎 智子先生